「スフィンクス」のストーリー

紀元前1301年のエジプト。ツタンカーメン王の墓がある王家の谷で、墓荒らしを捕えたセティ一世の墓の主任建築技師、メネフタ(ベルーズ・ヴォスーギ)は、その時、ある妙案を思いつき、ツタンカーメン王の墓を再封印する時、1枚のパピルスを中に残した。そして現代。魅力的な美人考古学者エリカ(レスリー・アン・ダウン)は、メネフタを研究する目的でエジプトにやってきた。彼女は、まず古美術商のアブドゥ・ハムディ(ジョン・ギールグッド)の店を訪ね、そこで、メネフタの名が刻まれたセティ一世の黄金像を見る。しかし、その直後、ハムディは3人のエジプト人によって殺され、黄金像も盗まれた。それを目撃したエリカは、犯人の1人に襲われるが、そんな彼女をフランス人のジャーナリストだと称するイボン(モーリス・ロネ)という男が救った。イボンとの夕食後、ホテルの部屋に戻った彼女を待ちうけていたのは、ハンサムな政府の古美術管理局長アーメッド(フランク・ランジェラ)で、彼は彼女を呼びつけ、エジプトに来た目的、イボンとの関係などを問いただした。遺跡をめぐり歩く彼女は地下墓所で何者かに襲われるが、危機を今度はアーメッドが救った。そして彼はエリカにエジプトを去ることを命じる。エリカは、セティ一世の像に刻まれた文字を解読した。ツタンカーメンの後に支配したファラオ、セティ一世に与えられた氷遠の眠りメネフタ。この意味を解くため、エリカはツタンカーメン王の墓があるルクソールに行く。ツタンカーメン王の墓は1922年、ハワード・カーターとカーナボン卿に発見されたのだが、その2人とツタンカーメン王の墓に入ったというエジプト人、サーワット・ラマンの家を訪ねるのも目的の1つだった。到着した彼女を迎えたのは、そこが故郷だというアーメッドだった。王家の谷を巡り歩くうちやがて2人は結ばれる。ラマンの家ではその未亡人が謎のパピルスを守っていた。そして、メネフタの文章を解読したエリカはアブドゥ・ハムディに死ぬ直前に託された息子宛の手紙を持って再び王家の谷へ向かった。しかし、本人は現れず、黒いマントの男に洞窟に閉じこめられてしまう。やっと脱出した彼女は、ある通風孔を見つけ、そこを通って驚くべき光景を目にする。そこは財宝にうもれたセティ一世の墓所だった。こうしてエリカにはすべてが解明された。メネフタが考えついた妙案とは、ツタンカーメンの墓の下にセティ一世の墓を作るということだったのだ。興奮してホテルに戻るエリカ。彼女を待っていたのは、古美術のブラック・マーケットに暗躍しているという本性をむき出したイボンとその仲間だった。夢中で彼らから逃げ、愛するアーメッドの家へ向かうエリカ。彼の家につくと、すかさず、追って来たイボンらとの撃ち合いがはじまり、イボンらは死ぬ。しかし、アーメッドも傷つき何処へと消えた。再び王家の谷へと足を向けたエリカを、そこで意外な人物が待ちうけていた。それは傷ついたアーメッドだった。彼は全てを知っていたのだ。驚き悲しむエリカは、しかし、傷つく彼を支え、何処かにいっしょに逃げようと泣いて訴える。アーメッドは、しかし自分にかけられた運命に忠実な男だった。エリカを墓室から出すと、柱をこわし、自分もろともすべてを岩の中に封じるのだった。