「アイスクリーム艦隊」のストーリー

ルービー・ノーランはサン・ディエゴの港町にあるソーダ・ファウンテン屋の可愛い女給さんである。ルービーは赤毛で、イット・ガールで、水兵達に騒がれること一通りではない。彼女はこんな水兵達を操るのが中々うまく戦闘艦一隻につき1人づつの仲良しがあった。ところが或る時全艦隊がサン・ディエゴに入港したので、このソロモン・ビンバーグの店はルービーのボーイ・フレンド連中で満員になった。その結果水兵達はルービーに馬鹿にされていたことを知って憤慨して復讐しようということになった。戦艦ミシシッピ号乗組の砲手マッコイは艦隊きっての射撃の名人であり、また女を口説いてものにする手腕においても無双の勇士であった。ルービーに阿呆みたいに扱われた水兵達はマッコイの力を借りてルービーをペシャンコにしてやろうと考えたのである。ところが彼はそれをニベもなく断ってしまった。一方、ルービーはあまり水兵達に馴々しくするのは却ってよくないと悟り、今度は努めて冷淡に振舞うことにした。マッコイは上陸して偶然この店へ飛び込み、図らずもルービーの冷々淡々たる待遇をうけた。自分には女はチヤホヤするものと信じきっている色男のマッコイにはこれは初めての経験で大いに興味を覚えた。興味が変じて恋愛へと発展した。ルービーも彼に参った。ソロモン・ビンバーグも喜んだ。ソロモンはマッコイが2年前の懸賞射撃演習で一等賞を獲たことを覚えていて、今度も彼が一等になるといって5000ドルの賭けをした。そしてルービーに1日暇をやったので恋人達は散歩に出た。そして二人は結婚したい気持になった。或るダンス・ホールでルービーはマッコイが直ぐに結婚しようと言い出すように、マネージャーに100ドル提供してこのホールで結婚式を挙げる恋人達に100ドル進呈しますと宣言させた。ところがルービーに扱われた例の水兵達は二人の跡をつけてやって来て、マッコイにこの女こそ俺達を騙したしたたか者だと告げたので、マッコイはルービーが彼の貯金をまき上げる心算なのだろうと誤解して去った。ルービーは悲観した。そして悪性の博打ち共がソロモンの賭金を奪うためにマッコイを酔潰させようとしていることを知ったので、彼女は衿恃を棄てて酒を飲んでくれるなとマッコイに嘆願しに行った。彼はそれもソロモンが賭に負けないようにだろうと邪推したが、彼女は賭をしているのは水兵達も多勢だと告げて漸く納得させた。マッコイは射撃一等賞を獲た。ソロモンは5000ドルを儲けた。そしてルービーは誤解とけた恋人マッコイを獲たのである。