「彗星雲を衝いて」のストーリー

シルヴィア・ジョルダンは職を求めに来ていて舞台監督のバリー・タウンセンドに泥棒だといわれて驚き色々と弁解した。職業柄バリーはシルヴィアの表情の巧みさに関心し、彼女が俳優としての立派な素質を持っていることを看破して女優に採用した。バリーの熱心な指導によってシルヴィアの技芸は磨かれたちまち人気のスターとなった。劇場主ラヴナルは彼女の美貌に心を牽かれた。そうしてバリーとシルヴィアとが恋仲であるのを知って嫉妬し、シルヴィアの契約書に向かう三年間何人とも結婚せざることという箇条を加えた。かくてシルヴィアの名声は日毎に高まり、ラヴナルの彼女に対する態度は露骨になった。舞台監督としてのバリーは有れども無きが如く彼は憂鬱になった。ラヴナルが遂にバリーを免職した時シルヴィアはバリーを訪れ復職要求をするように勧めたが興奮しているバリーは彼女をも敵と誤解してニューヨークを去った。しかし彼にはシルヴィアが思い切れず彼女の新しい劇の初日の晩には帰って来て、密かに大入場から彼女の舞台を見物した。シルヴィアは病を得て舞台に立てそうもなかったがラヴナルはバリーが見物に来ていると言って彼女を力付けた。彼女は見事に演じたが遂に舞台上に卒倒した。医師は絶望であると言った。バリーは彼女が生きるためには自分が必要であると悟って親切に介抱した。バリーの愛の力はシルヴィアを死の床から救った。