「人生模様」のストーリー

<第1話 警官と聖歌> 紳士気取りで人の善いルンペン男ソーピイ(チャールズ・ロートン)は、夏は涼しいセントラル・パークで、冬は暖かい留置所で暮らすことにしていた。ある年の冬、彼は仲間のホレス(デイヴィッド・ウェイン)に、留置所に入る秘術を伝授しようとしたが、どうもうまく警官に捕まらなかった。ソーピイは美しい街の女(マリリン・モンロー)に声をかけたが、かえって彼女に好意をよせられ面喰らって逃げ出す始末。ある教会に入り、オルガンの響に心打たれてルンペン渡世から足を洗おうと決心した。そして教会を出たとたん、浮浪罪として警官に捕まり、3ヶ月の禁固をくらった。 <第2話 クラリオン・コール新聞> 刑事のバーニイ(デール・ロバートソン)は、迷宮入りになった殺人事件の犯人をやくざもののジョニイ(リチャード・ウィドマーク)だとにらんだ。バーニイとジョニイは幼な友達で、2人は十数年ぶりで再会したのだ。バーニイはジョニイに証拠をつきつけて迫ったが、そのときジョニイはバーニイに、その昔千ドル貸したことをもち出した。バーニイはそのためジョニイを一応見逃し、千ドルの工面を考えた。折よく「クラリオン・コール」という町の一流新聞が、犯人の名前を通告したものに千ドル与えるという懸賞を出した。バーニイは賞金を手に入れてジョニイに借金を返し、心おきなく彼を逮捕することができた。 <第3話 残った葉> 恋人にすてられた若い女画学生ジョアンナ(アン・バクスター)は、失望にうちひしがれ、寒いニューヨークの街をさまよった末、姉スーザン(ジーンン・ピータース)と一緒に住むアパートにたどりつくと、そのまま病の床に伏した。医師は肺炎と診断し、ジョアンナが生きる希望を取り戻さなければ助からないと言った。彼女は自分の部屋の窓ぎわに生えている蔦にある21枚の葉が、その1枚ごとに彼女の1年間の生命を意味し、最後に残った葉が風に吹き落とされたら、自分は死ぬと思いこんでしまった。彼女の容態は悪化し、ある朝、蔦も葉も最後の1枚になった。途方にくれたスーザンは、バーマン(グレゴリー・ラトフ)という自分の才能に自信を失った画家に悩みを訴えた。強風の吹きすさんだ1夜が明け、ジョアンナが目を覚ました時、最後の1葉がそのまま残っているのを見て元気を取り戻した。実は最後の葉は風に吹き飛んだのだが、バーマンが描いた葉を枝につけておいたのだ。夜中寒風にさらされたバーマンは、そのため急死してしまった。 <第4話 酋長の身代金> サム(フレッド・アレン)と相棒のビル(オスカー・レヴァント)は、金持ちの子供を誘拐して身代金を稼ごうとアラバマの村へやって来た。2人はうまく少年を誘拐することに成功、さっそく身代金請求の手紙を少年の両親宛てに出した。ところが、この少年、インディアンの酋長気どりの腕白小僧で2人はほとほと手を焼いた。そのうち、両親から手紙が来たが、それには身代金を払わないと言うばかりか、どうしても少年を返したいなら250ドルよこせと書いてあった。腕白小僧にさんざん手こずった2人は、少年を送り返し250ドルまきあげられた。 <第5話 賢者の贈物> 相思相愛の若夫婦デラ(ジーン・クレイン)とジム(ファーリー・グレンジャー)は、貧乏なのでクリマス・イヴが来るのにお互いの贈物を買うことができなかった。デラは出勤するジムを送りながら一緒に街に出、途中で2人はある宝石商のウィンドウの前に立ち止まった。ジムは素敵な櫛に目をつけ、これがデラのふさふさした金髪を飾ったらさぞ美くしかろうと考えた。一方デラはプラチナの時計入れを見て、これはジムの骨董的な金の懐中時計を入れるのにふさわしいと思った。2人はそこで別れたが、お互にいま目をつけたプレゼントを買う金の工面に心をくだいた。デラは思い切って自分の髪を売り、ジムは時計を売った。夕刻、2人は贈物を交換したがどちらも当分の間役に立つものでなかった。しかし2人はお互いの愛を身に沁みて感じた。