「地獄への道」のストーリー

南北戦争後、鉄道は西へ西へと延び、西部に繁栄をもたらしたが、その背後に多くの運命的な事件が起こった。1876年、セント・ルイス中部鉄道会社はセント・ルイスとセダリア間の鉄道敷設のため農民の汗の結晶の耕地を、只同様の安値で買い始めていた。ジェームズ農場も、鉄道会社のパーシーから無法な言い値の交渉を受け、長男のフランクはパーシーの輩下から乱暴を働かれ、弟のジェスが駆けつけてパーシー一味を追い払った。パーシーはこれを恨みに思い、ジェームズ兄弟の逮捕状を入手して再び農場に行く。兄弟は新聞社を経営するコッブの忠告で一時姿をかくしたが、留守中、パーシーに襲われた兄弟の母親サミュエルス夫人は横死を遂げる。コッブの姪でジェスの愛人だったジェラルダからの報らせを聞いたジェスは、セダリアに乗りこんでパーシーを射殺し、鉄道会社の復讐のため列車強盗団を組織して、セント・ルイス、セダリアのの処女運転列車を襲った。鉄道の社長マッコイはジエラルダに、ジェスが自首すれば刑を軽くするよう取り計らうと申し出たので、ジェスは彼女と結婚式をあげた翌日、シェリフのライトに自首した。しかし、マッコイの証言は掌を返したようなもので、ジェスは死刑に値するといわれる。兄のフランクも憤り、マッコイに果し状を送ると共にジェスの脱獄を助けた。ジェラルダは事の成り行きを深く悲しみ、セダリアの生家に帰る。妻を失ったジェスは一層冷酷になり、銀行・列車を次々と襲い、5州を股にかけて荒した。ミズーリ州知事は懸賞金をかけて彼を追及した。その1万ドルの大金はジェスの子分のボッブ・フォードを裏切らしめ、フォードの手びきによってジェス一味のノースフィールドの銀行襲撃は失敗に終わった。ジェスはジェラルダの元にゆき、カリフォルニアに去って平和に暮らそうと考えるが、フォードに暗殺され、波乱の生涯を終える。コッブは、悪漢ながら同情すべき人間だったジェスのために、ジェームズ農場に彼の碑を建ててやった。