「黒蘭の女」のストーリー

ニューオリンズで指折りの名家に生まれたジュリーは伯母ベルに育てられ、若く美しく気の強いわがままな娘となった。1850年代の普通の娘とは違って、彼女はまるで現代の女性の如く因襲に促われないのであった。勤勉で向上心に燃える青年銀行家ブレストンと、酒飲みで傲慢で射撃に巧みな西部の伊達者バックの2人が彼女に求愛していたが、謝肉祭の最終日に催される舞踏会の夜に、ジュリーとブレストンの婚約が発表されることになった。彼女は零の如くわがままを発揮して婚約披露会には乗馬服で出席し、その後の舞踏会には売笑婦の着る赤い着衣をつけて出ようとした。ブレストンはその不真面目を責めたが、ジュリーは彼の臆病を笑うので、意を決した彼は赤い着衣の彼女を連れて舞踏場に現われた。2人が踊ると果して満場の紳士淑女は、眉をひそめて踊りを止めてしまった。ジュリーは初めて恥ずかしさを覚えて踊りを止めようとしたが、ブレストンは承知せず最後まで踊ると彼女を家まで送り届けて、2人の婚約は解消だと告げて北部へ去った。前にもそんなことがあったのでジュリーは気にもとめないでいたが、ブレストンは今度は1年も帰らなかった。ニューオリンズの町に黄熱病が流行して銀行が手不足になったので、ブレストンは無理に呼戻された。心から彼を愛しているジュリーは、白い衣装を身につけて彼に許しを乞おうとしたが、意外にもブレストンは北部生まれのエミイを妻として紹介した。ジュリーの愛情はたちまち恐ろしい嫉妬と変わった。彼女はバックをそそのかしてブレストンと決闘させようと計った。次第に不和になった2人がまさに決闘せんとした時、銀行頭取が黄熱病で倒れた報せが来てブレストンは出発した。バックの態度を怒ったジュリーの弟テッドが彼に決闘を申込んだ。そして命を失ったのは射撃の巧みなバックだった。人々はみなジュリーから離れ、彼女のことを淫婦の意である「イゼベル」と渾名した。その頃ブレストンも黄熱病に倒れたと聞いて、ジュリーは警戒線を突破して彼の許へ行った。患者はらい患者を隔離した島へ送られる規則である。ジュリーはリヴィングストン博士に嘆願して、ブレストンと同行することを乞うた。ブレストンの妻エミイも悔悟したジュリーの激しい献身的な愛を知って身を引いた。こうしてジュリーは憔悴しきった愛人ブレストンに付添い、危険な悪疫の島へ渡って行ったのである。

今日は映画何の日?

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