「ジョニー・ベリンダ」のストーリー

カナダ、ノヴァ・スコチア半島の東方洋上に浮かぶケイブ・ブリトン島の物語。半漁半農の寒村の寂しさを自ら求めて医者のロバート・リチャードスンは、春の始めにやって来た。小町娘を気取っているステラは自ら志願して医者の家に入りびたり、食事の世話や患者の取次を引き受けた。彼女は1寸した財産を持っているので、それを狙っているロッキーはステーラを追いまわして口説いていた。製粉所を経営しているブラック・マクドナルドの妹アギーに迎えられてロバートが牛のお産をさせてやった時、彼はブラックの娘ベリンダに興味をおぼえた。彼女は口がきけず耳も聴こえないので、父も叔母も下女のように扱っていた。それが哀れなのと、かつてそうした人を治した経験があるので彼は身振り手振りの手話を教えてみた。村人から白癖扱いをされているベリンダが障害者ながら、りこうな娘であることを発見したロバートは彼女の教育をしてやると申し出た。父のブラックは不承不承だったが、ある日娘をどなりつけるとベリンダは粉ひき場から仕事の手帳を持って来て父にみせた。耳が聞こえるようになったかと驚く彼に来合わせたロバートは、これは読唇術といって唇の動きによって相手の言葉を知るのだと説明した。そして身振り手振りで彼女がお父さんと言おうとしているのを知ると、父性愛が目覚めたか、ブラックは生まれて初めてベリンダを胸に抱いた。タラの大量を祝のダンスの晩、ロバートは若者が弾いているヴァイオリンにベリンダの手を触れさせた。彼女は音楽というものを初めて悟り、そのリズムにあわせて足は自ら踊り始めた。そうして踊っているベリンダは思いがけなく美しい1人前の女であった。その夜ブラックとアギーは泊まりがけで親類を見舞わねばならなかった。障害者を狙う若者もなかろうと思ったのだが、酒に酔ったロッキーがブラックの納屋におし入り、助けを呼ぶことの出来ぬ娘に暴行した。忙しかったロバートがある日ブラックの農場を尋ねると、ベリンダが別人のようにやつれていた。彼女に今は愛情を感じているロバートは彼女に愛の告白をした。彼女は驚き、はじらい泣き出した。何か健康に異状があると見た彼は彼女が身重であることを知って驚いた。彼はこのことをアギーにつげた。生まれる子の父親は誰か分からない。父としての愛に目ざめたばかりのブラックにはすべてを秘密にしておくことにした。しかしいつまでも隠しておけず、いったんは激怒したブラックもベリンダが男の子を生むと不安と共に愛情を感じた。しかし、ジョニーと名づけられたその子の誕生はさまざまのうわさをうみ、ブラック一家はのけものにされ、ロバートは自分がベリンダと結婚すれば解決すると申し出たが、物がたいブラックは拒絶した。それは嵐の晩であったが尋ねて来たロッキー赤子の顔をみると俺に似ていると思わずつぶやいた。あわてて立ち去ったロッキーの後を追ったブラックは断崖の下で死体となって発見された。男手を失った一家はますます貧しくなった。準備が出来たらベリンダを呼ぶからと約束してロバートはトロントの病院に赴いた。ロッキーとステラの結婚式が行なわれた頃、ロバートはトロントで小さい家を手に入れた。その手紙を出したと入れ違いにベリンダがロッキーを射殺したという知らせを受けた。彼は手話通訳として公判へのぞんだが彼女を愛する彼の言葉を公正でないと検事は非難した。しかしステラの証言で真相は判明した。ジョニーがロバートの子だといううわさを信じたステラは、ジョニーを養子にしたいと夫に相談すると、意外にロッキーはすぐに承知して、アギーやベリンダには子供を養育する資格がないということにして養子の手続きをした。そして夫婦はベリンダに同意の署名をしてもらいに訪れた。しかしステラが用件を切り出すとベリンダは子供を抱いて2階へ逃げ上がった。俺のせがれは俺が育てるんだと怒鳴ったロッキーは、階段を下りて来たベリンダに坊やは何処だとわめいた。黙っているベリンダをおし倒して階段をかけ上がった時、ベリンダは壁にかかっている銃を取った。ロッキーが階段を上りきった時、彼は死んでいた。被告は行為は子供を暴漢の手から守るためであったと見なされ、ベリンダは無罪放免となった。

今日は映画何の日?

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