「雨の朝巴里に死す」のストーリー

アメリカからパリに着いたチャールズ・ウィルス(ヴァン・ジョンソン)は、カフェ・ディンゴへ行き、壁に描かれた女の絵を見て、それにまつわる記憶を甦らせる。――1954年5月8日、パリは第二次大戦集結に湧いていた。シャンゼリゼを埋める群集歓喜のなかで当時中尉だったチャールズは、いきなり見知らぬ美人によろこびの接吻をされた。人混みを逃れて路傍のカフェに寄ったチャールズは偶然戦友クロオド・マティヌに会い、彼の同伴者マリオン・エルスワース(ドナ・リード)から、彼女の家の祝賀パーティに招待された。チャールズはこの家で、先程接吻された娘に会った。彼女はマリオンの妹ヘレン(エリザベス・テイラー)、アメリカを捨てパリに来た派手好きな父ジェイムズ(ウォルター・ピジョン)に似て奔放な性格の持ち主だった。チャールズは温和なマリオンのひそかな恋心に気づかず、ヘレンと恋におちた。そして現地除隊してヘレンと結婚し、昼は通信社に籍を置き、夜は小説を書きつづけた。傷心のマリオンはクロオドと結婚した。チャールズの多忙な生活にひきかえヘレンは相変わらず華美な生活を送り、妊娠がその生活を中断させたが、ヴィッキが生まれるとまた元の賑やかな毎日だった。チャールズの小説は空しく出版社から返送され、続いて執筆した第2作も同様の結果に終わった。失意のうちに第3作にとりかかったころ、チャールズはライレン・クォール(エヴァ・ガボール)と知り合い、第3作の失敗がチャールズを彼女との遊びの世界に駆り立てた。そのころ漸く遊びに飽いたヘレンはアメリカに帰って生活をたて直そうとしたがチャールズに拒絶された。ラレインを誘ってモンテカルロ・パリ間の自動車競争に参加したチャールズが、レースに負けて雨のパリに帰って来たとき、ディンゴの店でヘレンとテニス選手ポールの睦じい姿を発見した。チャールズは思わずポールに喧嘩を売り、怒ったヘレンはポールを連れて出て行った。深酒して帰宅したチャールズは、前後不覚に眠りこんで、夜半ヘレンが雨に濡れながら玄関の戸を叩いたことを知らなかった。ヘレンはやむなくポールのアパートを訪れたが落ち着けず、雨の中を姉夫婦の家へ行って倒れた。肺炎だった。ヘレンはチャールズに娘ヴィッキの将来を託して世を去った。――回想から我に返って、チャールズはふたたび壁画の女ヘレンに目を注いだ。いま彼は小説家として成功しており、マリオンが保護者となっている娘ヴィッキを引き取りにやって来たのだった。だがマリオンはヴィッキを渡してくれず、彼はディンゴの店に帰って行った。しかし、クロオドに説かれたマリオンはついに我を折って、夫と共にヴィッキを連れてディンゴの店を訪れるのだった。

今日は映画何の日?

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