「情焔の曲」のストーリー

米国の富豪の息子エリック・フェーンは大音楽家たるべくイタリアに遊学した。一年は経過したが中々成功しそうに見えないので父は音楽を断念して帰郷しろと命じた。しかし一度び決心した彼は父に逆らってパリに出て幾許もなくポートサイドの酒場のピアノ弾きに堕落した。彼は酒場の女将を救わんとして殺人を犯したので南海の孤島に逃れた。彼はそこで英国書家の娘ティタに恋し恋されて結婚することになった。結婚式の前夜エリックは娘の眼に恐ろしい疫病の前徴たる斑点の現れているに気が付いた。隣島から迎える医師は翌朝でなくては来診出来なかった。その夜彼は愛する者の傍を離れず音楽で彼女を慰めようとした。彼の指がピアノの鍵盤に触れた時エリックの指は霊感に依り動いて島の原始的音楽からヒントを得た大音楽は立所に成った。彼の眼が歓喜に輝いた時医師の船は着いた。そしてティタの斑点は疫病に酷似にした島の風土病であることが判明した間もなく彼は神来の妙曲と愛妻とを携えてニューヨークへ行った。成功の機会はそこに彼らを待って居た。