「純朴なる同胞」のストーリー

ドロシー・パーキンスは純朴な田舎に育った潔い乙女であった。彼女は併し社交も上手であるし製図の才能があったのでやがて憧れの都へ出てある建築事務所に入り大変に成功を博した。その後まもなく彼女はモント・ローズという男と結婚したが夫は貴族的な自分の家族の格式などをこの上なく誇りとしているのであった。彼女の故郷から都慣れぬ純朴な親類達が訪れて来た時、その田舎者丸出しの諸事は貴族的なモントにとっては驚愕ともいうべきもので、その等が原因で彼は故もなく妻ドロシーに辛くあたるようになった。遂に彼女は故郷の地に帰ってしまった。昔に変わらぬ温い単純な人々の情愛と、美しい自然の懐ろに抱かれて、彼女の悲しい心も故郷にあれば慰められることも多かったが、一方妻に去られて始めて夫モントは妻の純真な気持ちや素朴な田舎人達の徳がしみじみと解ったのであった。そしてすべては再び幸福なその日に立ち返ったのである。