「十三日の殺人」のストーリー

ニューヨーク警察長サッチャー・コルトはその激務に疲れて、しばしの休暇を求めて女秘書のケリーを同伴して、とある田舎へ出かけていった。ところが、この町へちょうどレニーの旅回りのサーカスがやってきてコルトはケリーと共にその渦中に巻き込まれることとなる。と、いうのは、このサーカスの花形のジョジー・ラ・ツゥールにはフランドリンという夫があったが、この男は半狂人で、ジョジーと一座の芸人セバスチャンとが懇ろにしているのを嫉妬のあまり、彼ら2人を殺そうと既にサーカスの町回りの途中でも1椿事を引き起こしたくらいだからである。で、次いでサーカスの初日が13日の金曜日にときわまると、ここでさらに変事が相次いでもち上がり、まずフランドリンが部屋に血痕を残したまま行方不明になった。ところが、一方、この時から今までサーカス一座にいた食人種の数が13人から14人に増えたので、コルトはさてはフランドリンが食人種に紛れ込んでいるのではあるまいかと考えた。さて、その日もあけて翌日サーカスの初日となると、コルトの警告も聞かずにジョジーは空中の離れ芸をしに舞台に出ていった。と、果してフランドリンは食人種中に身をひそめていて、吹き矢をもって空中のジョジーを射殺した。次で彼は恋敵のサバスチャンとも殺そうと焦ったが、コルトの敏腕と慧智とはよく猛暴を制して彼を食いとめた。逃げ場を失ったフランドリンは、空中高く逃げたが、遂に最早や逃れぬ所と懸念して、観客の前に華々しい最後の大曲芸を見せつつ故意に地上に墜落して我と我が命を断った。