「ジャック・ストロウ」のストーリー

ジャック・ストロウは氷屋の配達人であったが、ジェニングス家の娘エセルには熱い恋を捧げていた。彼が卑しい身分であるから、勿論エセルの母は彼に何の注意も払わない。払わないどころか、時には彼が娘の近くに来ることに激しい反対をしたが、娘を想う母として、また門地に憧れる虚栄心高い女として、これは無理からぬ話である。しかしジャックは生まれながらの氷屋ではなかった。ポメラニア国の大使が来た時、ジャックが実は行方不明になっていた大公の嗣子であることが分かった。昨日に変わる今日の得意、ジャックはエセルの母から迎えられて、晴れて嬉しい華燭の典は挙げられた。