「侵略の潮」のストーリー

南カリフォルニア一帯がまだスペインの治下にあった頃の物語。ここに居住するドン・ジョセは広漠なる土地を所有して、息子のリマウルド、娘のジョセフィータを相手に平和な日を送っていた。しかるに当時この方面で金鉱が発見さるるとの報道が伝わるや、一獲千金を夢見る者が続々集まった。若き愛国原住民デリー・ダルシーもその1人であった。彼らはいづれも粗暴なる男たちで彼らの一隊は囚人等を使役して金の発掘を企んで来たのである。かかる者ばかりであるから他人の所有地に侵入することなどは眼中にない。ダルシーの一隊が、ドン・ジョゼの土地に侵入して来た時、おりがら、祭りが催され年中行事として盛大に競馬がおこなわれた。ジョセフィータに失恋したモンタルヴォという男は、ダルシーをそそのかえして彼を参加せしめ、彼女の父の牧場を賭けさせ両人の馬は競馬に加わった。勝ちはダルシーに帰した。しかしダルシーは牧場を彼女の一家から奪うに忍びず、彼女に返済したが、面目上から、侵入者に対する反感からも、彼女はこれを快しとしなかった。しかしいつか彼を心ひそかに思慕するようになった。行方不明になった弟のリマウルドは捕らえられて山賊の一味に加わり、金塊輸送の途上を襲い、捕らえられて死刑に処せられんとした時、彼女の無実の罪を訴えにダルシーは名馬を駆って危機を救い、彼にその馬を与え彼を逃げ延びさせた。かくてダルシーとジョセフィータの愛は結ばれたのであった。