「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のストーリー

1960年代前半のアメリカ南部。大学を卒業したスキーター(エマ・ストーン)がミシシッピ州ジャクソンの町に戻ってきた。ボーイフレンドもできないスキーターは母シャーロット(アリソン・ジャネイ)の心配の種だが、本人は結婚よりも作家になることを夢見ている。地元の新聞社に就職したスキーターの初仕事は、家事に関するコラムの代筆だった。家事の知識がないスキーターは、実家のメイドのコンスタンティン(シシリー・タイソン)に知恵を借りるつもりだったが、ひさしぶりに帰った実家に彼女の姿はなかった。問いつめるスキーターに、母は言葉を濁す。スキーターは友人エリザベスの家のメイド、エイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)に話を聞くが、取材を続けるうち、自分をとりまく南部の上流社会への疑問が芽生えてくる。そんな中、同級生のリーダー格、ヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)は黒人が不潔だと主張し、各家庭に黒人メイド専用トイレを設置させる活動をしていた。ヒリーに感化されたエリザベスも屋外にエイビリーン用のトイレを造らせる。そんな仕打ちにも黙って従うエイビリーンの姿に、スキーターは胸を痛めた。黒人メイドの現実を伝える本を書きたいと、ニューヨークの編集者スタイン女史(メアリー・スティーンバージェン)に電話をすると、メイドたちの証言がとれるなら出版できるという答えだった。スキーターはエイビリーンにメイドの苦労話を聞かせてほしいと頼むが、頑なに断られた。南部で黒人が自由にものを言うことは、身の危険を意味しているのだ。だが、エイビリーンの親友で、ヒリーの家で働いていたミニー(オクタヴィア・スペンサー)が、家族用のトイレを使用したために解雇されたことをきっかけに、エイビリーンはスキーターの取材に応じることを決意する。そしてその小さな一歩は数多くの勇気へと広がり、やがて彼らを取り巻く社会を根底から揺るがす大事件へと発展していくのだった……。