「シンジケート」のストーリー

ニューヨーク警察の主任刑事ルウ・トリー(チャールズ・ブロンソン)は、口よりさきに拳銃が火を吹く、という流儀が災いしてロサンゼルス市警に転勤させられる。それから2年、トニーは相棒のマシューズ刑事(ラルフ・ウェイト)と組んで麻薬売買ルートを探っていた。トニーが逮捕した、かつてはマフィアの殺し屋だったアーミテジ、黒人のリッパーがあい次いで殺された。2つの殺しの手口は、生じた場所こそ違え、ある一点で驚くべき類似を見せていた。殺人方法が古典的マフィアのそれなのだ。彼はその背後関係に注目した。ジャンパー(ジャック・コルヴィン)が逮捕された。その取調べに当たったトリーは、シラを切るジャンパーが、アーミテジが死ぬ前に口にした”ウェクストン”なる名を聞いて顔色を変えるのを見逃さなかった。その頃、ニューヨークにあるカトリック墓地では、4人の男たちが1931年4月10日に殺されたシシリーのマフィアたちの墓の前に立っていた。ドン・アル・ベスカリ(マーティン・バルサム)、ドン・ロカティ、ベスカリの部下トニー・チャンピオンそれにローレンス(スチュアート・マーゴリン)だ。このローレンスこそリッパー殺しの主役だった。いくつかの墓碑に記された<1931.4.10>の数字はベスカリにとって忘れようにも忘れることのできないものだった。この日、彼の仲間がアイルランド系やユダヤ系のマフィア組織に狙撃され、無惨に虐殺されたのだった。それから40余年、彼は報復の機会をじっと待ち続けた。アーミテジもリッパーもそのために雇われ、そのために殺された男たちである。ローレンスはベトナム帰還兵を集めた殺人部隊”ウェクストン”の特訓に当たっていた。めざす相手は、ドン・ベケティの対抗勢力だ。ベスカリは”ギャング戦争”を起こして、調停のための最高首脳会議を召集、そこで一挙に葬り去ろうという計画を立てた。一方、トリーはリッパーの衣服からモハーベ行きのバスの切符が発見されたことから、ジャンパーを泳がせてみることにした。彼も仲間ならマニックスに行くはずだ。トリーのカンは的中した。ヘリコプターで空中から偵察するトリーの眼下、砂漠の真只中で殺し屋に襲われるジャンパー。殺し屋を倒したトリーにジャンパーはモハーベ砂漠で行なわれる”誕生日パーティ”のことを告げて息を引き取った。ここにある山荘こそウェクストンのアジトだったのだ。トリーはニューヨークに急行した。既にギャング戦争の犠牲者が続出していた。ベスカリのもとにも、ウェクストンが警察に急襲されたとの情報が届いていた。殺し屋も主要都市で次々に逮捕されたという。だが、明日に迫った計画実行の決断を下した。その頃トリーも42年前の、シシリーのマフィアが殺された、いわゆる”シシリーの晩鐘”の事実をつきとめていた。やがて、運命の4月10 日。豪壮ビルの最上階にある会議室にマフィアの大物たちが集まった。殺し屋たちが息をひそめる…。現場に急ぐ警官隊。今こそ壮絶な銃撃戦が始まろうとしていた。警官隊が現場に駆けつけたときは、すでに報復が終わったあとだった。そして、殺し屋たちも警官隊に殺され、ベスカリが静かに祈りをささげていた。