「あひる大旋風」のストーリー

大学教授のアルバート・ドゥーリー(ディーン・ジョーンズ)は、息子のジミーに飼い犬をせがまれたが、そんな時、ちょっとした事故で放射能を浴びた実験用のアヒルが手に入った。しかしジミーは、ドナルド・ダックなんかつまらないと機嫌が悪い。しかしチャーリーと名づけられたアヒルはジミーの後を追いかけ廻し、一方、ジミーもそんなチャーリーに情が移ったとみえて仲よくなった。アルバートのお隣りは、財務省勤務のつむじ曲がりフィンリーと奥さんのユーニス。大事なプールをチャーリーが池がわりに我が物顔で泳ぐのを見つけてカンカンになり、飼い犬と共に追いかけ回す。そのうち、こともあろうに飼い犬はチャーリーとすっかり仲よくなってしまうのを見てますますカンカン。チャーリーは犬に追いかけられたショックで卵を数個生み落とす。アルバートは放射能の汚染卵とあって食べるわけにもいかず、早速埋めようとしたが、そのはずみで割れた卵の黄身が金属なのでびっくり。それは何と純金だったので2度びっくり。その話を聞いた親友の弁護士フレッド(トニー・ロバーツ)はドゥーリー家の利権を守るために顧問役を買ってでた。一方、そんな賢いアヒルとは知らない奥さんのケティ(サンディ・ダンカン)は、放射能アヒルがいては家庭の安全は図れぬと近所の農夫にチャーリーをやってしまった。驚いたのはアルバート、事の次第を打ち明け、大あわてで一家は取り返しに飛び出したが、時既に遅くチャーリーは数百羽のアヒルと一緒に囲いに入れられてとても探し出せたものではない。みんなが四つんばいでアヒルの大群と格闘しているうち、ふと気がつくと、一羽だけ群れから離れてジミーの後を追い回すのがいる。チャーリーだった。こうして騒動は一段落した。だが、ケティが、家計の赤字を解消するために純金の卵をこっそり町で換金したため、たちまち噂は広がり、とうとう財務省の耳にまで届いてしまった。特別査察員ラスレッジが、連邦金準備銀行のモーガンの協力で、純金の卵が世界経済を揺るがすおそれがあるとして調査に乗り出し、遂にドゥーリーがマークされるに至った。この時とばかり隣家のフィンリーはラスレッジ査察員にゴマをすり始める。一方、アルバートとフレッドの2人は、チャーリーがいつまで金の卵を生み続けるかわからんというので、チャーリーをジミーから取り上げ、せっせと金の卵大量生産にかかろうとした。可愛いペットを取り上げられそうになったジミーはチャーリーを連れて自転車で家出を計画、途中からゴミ運搬車にもぐり込み必死の大逃走。あわてたアルバートはケティ、フレッドと自動車を飛ばして追いかけ、そして財務省の面々は一家が逃亡を図ったと早合点してこれまたアルバートたちの後を追いかけるが、2台は衝突してしまう。そばに止まっているハシゴつき電話修理車を見つけたケティとフレッドは飛び乗ってジミーを追いかけるが、取り残されそうになったアルバートはやっとハシゴの先の修理カゴにしがみつく。その途端、馴れない自動車なのでフレッドがギアとハシゴレバーを間違えたために、ハシゴは空高くのび始めてしまう。またチャーリーをかかえたジミーも、ビルの屋上に逃げ込みあまりの高さのために動けなくなってしまう。アルバートの必死の行動で、ジミーは無事救助される。そして連邦金準備制度侵害というイカメしい容疑で逮捕されたアルバートの裁判が、全米注目のうちに始まる。しかし、生み落とした卵をコップの中に割ってみると何の変哲もない普通の卵。もうチャーリーは金の卵を生む能力がなくなってしまったのだ。チャーリーは改めてドゥーリー家に返還され、騒動は落着した。