「夕暮れ」のストーリー

東京のテレビ番組制作会社で働く長谷川勝雄(宇井晴雄)は、祖母の三回忌のため民宿を営む奈良の実家に帰ってくる。普段なら法事が済めばすぐに帰るところ。だが、今回はしばらく滞在すると家族に告げる。いつもと違う勝雄の様子に家族たちは違和感を覚える。同じ頃、祖父の長谷川一平(南勝)が貧血で倒れた女性を連れ帰ってくる。新田リサ(土田愛恵)と名乗るその女性に、体調が良くなるまで居候を勧めるが、彼女はそれを断るとすぐに出て行ってしまう。行く当てもなく彷徨うリサ。結局、夜になってから“ここにしばらく置いて欲しい”と戻って来る。こうして、勝雄とリサを加えた6名の共同生活が始まる。やがて祖父が毎年主催している地元の盆踊りが迫ると、長谷川家に大きな事件が発生する。その事件を発端に、家族、地域の人々、そして勝雄とリサもそれぞれが小さくも大きな変化を互いに感じ取っていく。やがて、勝雄とリサは共通の問題を抱えていることが明らかになる……。