「COACH コーチ 40歳のフィギュアスケーター」のストーリー

40歳、独身のプロフィギュアスケーター、倉内美和(西田美和)は、アイスショーに出演する一方で、コーチとして、未来のオリンピック選手を目指す子供たちや初心者の大人たちを指導している。充実した毎日を送る美和だったが、心のどこかで虚しさも感じていた。そしてなぜか最近、後輩のフィギュア女王、笠井千夏(時東ぁみ)が美和に攻撃的な態度をとってくる。そんなある日、美和の前に8歳の少女、飛鳥(小松崎夕楠)が現れる。飛鳥は、美和の大学時代の後輩で現在はカリスマ料理家として活躍している原田陽介(金子昇)の娘であった。だが、スケートを習いたがっている飛鳥を一方的に送り込み、コーチを頼んできた陽介は美和に断る暇も与えず、交通事故で急死。ひとりぼっちになった飛鳥の面倒を見ることになってしまった美和は、所属するアイスショーの担当者から「チームの若返りを図りたい」と告げられる。仕事には精一杯、誠実に取り組んできた美和だったが、千夏に煽られた若い同僚たちの批判の声が高まっていたのだ。これまでの人生は一体何だったのか。陽介の遺した古いビデオテープを再生した美和は、オリンピックを目指していた若き日の自分の姿を通して、陽介からの20年越しのメッセージを受け取る……。「オリンピックに挑戦します」と晴れやかに宣言した美和は、飛鳥に見守られ、恩師である伝説の鬼コーチ、カトシュウこと加藤州(平泉成)のアドバイスを受けながら特訓を開始。実は加藤は、美和にオリンピック再挑戦を決意させるために、千夏に頼んでわざと意地悪をさせていたのだった。長いブランクと年齢のためか、簡単なジャンプも跳べない美和。周囲は呆れるばかりだったが、アマチュア復帰をして必死で練習に励む美和を次第に応援するようになっていく。美和はブロック大会をかろうじて通過、ファイナル出場が決定する。だが、オリンピックへの切符はたった1枚。最大のライバルは千夏だった……。