「Dr.パルナサスの鏡」のストーリー

2007年、ロンドン。旅芸人の一座が今にも壊れそうな馬車で現れる。座長は年齢1000歳以上といわれるパルナサス博士(クリストファー・プラマー)。出し物は、人の心の中の欲望を具現化する“イマジナリウム”と呼ばれる鏡。博士に導かれて鏡を通り抜けた観客は、自分の願望を反映した幻想世界を体験できるのだ。だが、怪しげな出し物に興味を持つ客はなく、博士は何かに怯えていた。実は、かつて偉大な僧侶だった博士。悪魔のMr.ニック(トム・ウェイツ)にそそのかされて、1人の女性に恋をしたことからすべてが始まった。不死と若さを手に入れる代わりに、生まれた娘が16歳になった時、彼に差し出す約束をしてしまったのだ。そうとは知らない博士の娘ヴァレンティナ(リリー・コール)。ある日彼女は、殺されそうになっていた青年トニー(ヒース・レジャー)を助ける。記憶喪失の彼は一座に加わると、巧みな話術で女性客を惹きつけ、ヴァレンティナも彼に心奪われる。そして期限の3日前。Mr.ニックが現れ、賭けに勝てば娘を渡さなくてもいいと博士に告げる。その賭けとは、鏡の世界に入り込んだ客に、悪魔の欲望の道と節度ある博士の道を選択させて、先に5人を獲得した方が勝ちというものだった。事情を知ったトニーは、次々と女性客を鏡の中へ誘導。そして、記憶を取り戻し、自分を殺そうとした男たちの姿に気付いたトニーも鏡の中へ逃げ込む。鏡の中で客の願望を形にしたトニー(ジョニー・デップ)は、次々と客を博士の選択へ導く。しかし残り1人になったとき、トニー自身の願望を反映したトニー(ジュード・ロウ)が誘導に失敗。追っ手と悪魔に迫られ、一緒に鏡の中へと逃げ込むトニーとヴァレンティナ。すると、ヴァレンティナの願望を反映したトニー(コリン・ファレル)が彼の真の姿を現す…。期限まであとわずか、博士とヴァレンティナの運命は……?