「銀色の雨」のストーリー

鳥取県米子市の高校生・和也(賀来賢人)は父を知らずに育った。今は新聞店に住み込み、働きながら学校に通っている。中距離ランナーとして陸上部に在籍し、働きながら学ぶ“青少年の鏡”として表彰されたこともある。しかし和也はそんな自分を嫌悪し、無力感、焦燥感、将来への不安を抱いていた。ある日、集金の金額が足りないことを店主にとがめられた和也は、店を飛び出してしまう。そのころ、元日本チャンピオンのプロボクサー・章次(中村獅童)はある決意を胸に、東京から故郷の米子をめざしていた。米子駅をふらついていた和也は、施設育ちで、かつて母親のスナックで働いていた菊枝(前田亜季)と再会する。和也は、彼を弟のように気にかけてくれる菊枝の一人暮らしのマンションに転がり込む。米子に着いた章次は、母のいる実家の美保関に戻るのを躊躇していた。すると、昔の仲間に襲われる。その現場にいた菊枝は、章次を自分のマンションに連れていく。こうして3人の共同生活が始まったが、和也はなにかにつけ2人に反発した。しかし、互いに影響し合う彼らの心に、次第に変化が表れる。章次が不器用ながら大切なものを守り抜こうとする姿を見た和也は、ある事実を知る。