「シーウルフ(1980)」のストーリー

1942年。第2次大戦もいよいよ終幕を迎えようとしていた。有能なスパイ網の活躍で連合軍の戦艦を次々に撃沈するドイツ軍に対抗して、デリーのイギリス軍司令部にあるS・O・E(特殊作戦工作部隊)に呼びだされたビル・グライス中佐(デイヴィッド・ニーブン)は、ルイス・ピュー中佐(グレゴリー・ペック)とキャビン・スチュワート大尉(ロジャー・ムーア)の2人にドイッのスパイ網を探らせる。インド西海岸に位置するゴアの町に潜入した2人は、ナチスのスパイがこの町で、連合軍艦隊の動きをキャッチし味方にデータを流していることをつかみ、その無線基地がドイツの商船エーレンフェルス号にあることを知る。しかしその商船が中立国モーマゴアにあるため、攻撃できず、打開策が見つからぬまま新しい年を迎えてしまう連合軍。しかも、スチュワート大尉は、スパイであることも知らず美しい女性クロムウェル夫人とつき合っていた。そんな頃、S・O・Eではカルカッタ・ライト・ホースと呼ぱれる組織が話題になっていた。1759年に設立されたボランティア部隊でカルカッタにクラブをもっていたが、祖国のためなら何時でも立ち上がるパートタイム志望兵でもある。しかし、退役軍人であったり中年の一般市民であるという難点があった。このメンバーから18人が選ばれ、いよいよ決戦の時がきた。老志願兵ジャック(トレバー・ハワード)は、ゴアに潜入し、町中をかく乱させようとしてクロムウェル夫人に殺され、彼女も闘いの末死んだ。深夜、ゴアの町中が花火を上げ騒いでいるころ、エーレンフェルス号ではピュー中佐の指揮下、一行が、敵の見張りを1人ずつ片づけ、目ざす無線室に近づいていた。緊急を知らせる無電が鳴る中、時限爆弾を仕掛け、ボランティア部隊は脱出に成功した。その直後、エーレンフェルス号は大爆音と共に炎上するのだった。