「ゼラチンシルバーLOVE」のストーリー

カメラマンの男(永瀬正敏)はコンクリートに囲まれた部屋で、運河を隔てた向かいの家にいる女(宮沢りえ)の姿を24時間、ビデオカメラで盗撮していた。女の部屋は一面窓に囲まれており、女は無造作に平積みされた本を読む。キッチンにはステンレスの鍋があり、女は卵をきっちり12分30秒ゆでて食べる。女はゆで卵を食べると、ファッションモデルのように着飾り家を出ていく。女が外出すると男も家を出て、港湾や街の写真を撮って歩く。それから、彼の持つカメラを褒める女店主(天海祐希)のいるバーで、1人で静かに過ごすのだった。男は大型の液晶テレビを買い、こうして来る日も来る日も撮影した女の映像を映し出す。そして、撮影したテープを袋に詰め、依頼人(役所広司)に渡す。ある日男は、高級車がガードレールに衝突した交通事故の現場に出くわす。車の中には、額から血を流して死んでいる男がいた。事故現場に群がる人だかりの中に、女を見つける。男は思わずカメラのシャッターを切る。写真を撮り続けているうちに、男は女の妖艶さに心を奪われ、彼女を追跡し始める。いつしか男は撮影することをやめ、彼女の監視人となる。そして、ついに彼女の正体を知ることになる。