「いのちの作法 沢内「生命行政」を継ぐ者たち」のストーリー

昭和30年代、岩手県の小さな寒村・沢内村は、豪雪・貧困・多病多死の三重苦を抱えていた。冬になると“天牢地獄”と呼ばれる豪雪で交通は麻痺状態となり、病気や怪我をしても病院に行くことができない。そのため、高齢者や赤ん坊は当たり前のように亡くなる状態が続いていた。そんな沢内村で、当時の村長・深沢晟雄は立ち上がり、村民もその呼びかけに応えた。深沢は、冬季の交通や医師・保健婦を確保した。また、患者のカルテを集落ごとにまとめて、村民の健康を把握する保健医療の仕組みを確立した。さらに昭和36年、当時の厚生課長の提言である乳児・老人の医療無償化を、全国に先駆けて英断した。その結果、翌年には日本で初めてとなる乳児死亡率ゼロを達成する。こうして沢内村は、深沢の呼びかけから5年で日本一の保健の村として生まれ変わった。平成17年、沢内村は湯田町と合併し西和賀町となったが、現在も“生命尊重の理念”を町是に掲げ、深沢の意志を受け継いでいる。本作は、深沢晟雄旧沢内村村長についての証言に始まり、その理念を受け継ぎ、老人や障害者、児童養護施設の子供たちの生命に向き合い、地域に生きることを模索し続ける現在の西和賀町の人々の姿を映し出す。

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