「終身犯」のストーリー

1909年、ロバート・ストラウド(バート・ランカスター)は恋人に乱暴した男を殺し12年の刑で連邦刑務所に入れられ、ここでも母のことを罵った同房の囚人を傷害、レヴンワース刑務所へ移された。看守長はシューメイカー(カール・マルデン)という男。彼にはラムソンとクレイマーという2人の手荒な看守がついていた。ストラウドの母エリザベスが3千キロを汽車にゆられ息子に会いに来た。クレイマーは面会日でないからと追い返す。逆上したストラウドはクレイマーの心臓を一突きで刺す。正当防衛を主張するが絞首刑の宣告。しかしエリザベスのウィルスン大統領夫人への嘆願が功を奏し終身刑に減刑させる。ストラウドの独房生活が始まった。ある日、彼は中庭に嵐に打たれズブ濡れになった雀を見つけ、独房に持ち込み育てた。色々な芸当を教え込んだ。シューメイカーは転任、後任の看守長コムストックは独房中でカナリヤを飼う許可を与えてくれた。熱心に小鳥を観察、鳥に関する本を読むストラウド。やがて彼は鳥類学の権威となり、独房内で鳥小屋と研究室の許可をもらい、さらにカナリヤの命取りともなる熱病の治療法を発見、その論文を雑誌に発表した。ある日、ステラ・ジョンスン(ベティ・フィールド)という愛鳥家の未亡人が彼を訪ねてきた。例の論文を読んで会いたくてきたというのだ。2人は意気投合、ステラは彼に援助を申し込む。が、シューメイカーの差金で刑務所の管理方針が変わり、小鳥の飼育が禁止されそうになった。ステラはストラウドと獄中結婚、話題を巻起こして世論を喚起、刑務所側と対抗した。結局ストラウドは孤島のアルカトラス刑務所へ移されて対立はケリがついた。ここの所長はシューメイカー。小鳥の飼育は勿論禁止、ストラウドは法律を勉強、こんどは刑務所改善の論文を書く。が、それは没収。そこへ4人の囚人が首謀者になっての暴動が起こる。騒ぎは間もなくおさまるが、この間、終始冷静にことをおさめるのに尽力したストラウドの態度は高く評価され、ミズリー州の連邦囚人病院で小鳥の研究を続けることを許された。彼はもう孤独ではない、終身犯の身でありながら安らぎと幸福がそこにはあった。