「上海夜話」のストーリー

上海の某料亭に働く白人娘キャシー・クックは借金で首が回らなくなり女将から暇を出されたので、同僚のローズから美しい衣服を借りうけ、貴婦人を装って、素性の知られていない場所で良い鴨を捕まえるつもりで北京へと向かう。同じ上海でマッキニーという若者はハーフの密偵リーベンの奸策に落ち、阿片中毒患者となり、遂には自分はある犯罪を犯して探偵に追われているのだという自己暗示の脅迫観念に襲われている。リーペンはこれを利用して金の種にしているが、今日もマッキニーは彼に追われて白人崇拝の中国女ゴールドン・アルモンの家へ転げ込み丁重にされる。かれの病的な状態も薄らぎ立派な服装に金までも貰って安易な心待ちに復した時またしてもリーペンが現われてのでマッキニーとキャッシーとはこうした機会から同じ列車に乗り合わす。二人はお互いを紳士淑女と誤信し、キャシーはマッキンニーを鴨にしようと仕事をはじめる。ところが列車は途中馬賊の襲うところとなり二人は身をもって田舎に難を避けるとなる。ここでの幾日かが二人の心を結びつける機縁となり、真実の恋が芽生えかけたがお互いに自分は恋する資格のないものと半ば諦めている。キャシーはマッキニーを伴って上海へ帰り、最後の晩餐を共にして潔く別れる決心をした。その酒宴半ばに彼等の居場所を突きとめたリーペンを色仕掛けで誘っている時以前リーペンのために娘の仇敵として復讐する。愛し合うマッキニーとキャシーは大官の計らいで帰米の途につく。