「アイム・ノット・ゼア」のストーリー

19世紀フランスの詩人アルチュール・ランボー(ベン・ウィショー)は「なぜプロテスト・ミュージックをやめたのか?」という尋問を受けている。1959年、「ファシストを殺すマシン」と書かれたギターケースを持つ黒人少年ウディ(マーカス・カール・フランクリン)は黒人ブルース・シンガーの家に転がり込む。しかし老母に「今の世界のことを歌いなさい」と言われ、再び旅に出る。列車で強盗団に襲われた彼は白人女性に助けられるが、少年鑑別所から電話がかかってくる。60年代後半のプロテスト・フォーク界で、ジャック・ロリンズ(クリスチャン・ベール)は中心的存在となる。しかしパーティのスピーチでJFKの殺害犯を称え反感を買い、身を隠す。約20年後、彼は教会でジョン牧師と名乗っていた。ベトナム戦争が本格化した1965年、新人俳優ロビー(ヒース・レジャー)は、美大生クレア(シャルロット・ゲンズブール)と出会い、結婚する。しかし次第に2人の感情はすれ違い始める。1973年、ベトナム戦争からの米軍の撤退のニュースを見ていたクレアは離婚を決意する。1965年、ジュード(ケイト・ブランシェット)はロックバンドを率いてフォーク・フェスティバルに出演し、ブーイングを受ける。彼はバンドと共にロンドンに向かい、ニューヨークの人気モデル、ココ・リヴィングトン(ミシェル・ウィリアムズ)と出会う。ライブで再びロックを演奏し、パーティ会場で悪態をついた彼は会場を後にするが、地面に倒れ込む。西部の町リドルでビリー(リチャード・ギア)は隠遁生活を送っていた。ハイウェイ建設のため町民に立ち退き命令が下る。ビリーはその黒幕がギャレット長官であることを突き止め、ギャレットの演説会で彼の悪行を非難する。町民たちはその言葉で一斉蜂起を始める。ビリーは新たな旅先を目指し、旅に出る。彼のギターケースには「ファシストを殺すマシン」と書かれていた。