「サウスバウンド(2007)」のストーリー

「ナンセンス!」が口癖の上原一郎(豊川悦司)は、全共闘運動に明け暮れた学生時代を過ごし、さくら(天海祐希)と駆け落ちして、三人の子供に恵まれた。現在は、さくらが喫茶店を経営している。小学六年生になった長男の二郎(田辺修斗)は、難しい年ごろだ。長女の洋子(北川景子)はいちいち世間の矛盾に向かいあう一郎に呆れて実家を飛び出し、ボーイフレンドの部屋に転がり込んだ。妹の桃子(松本梨菜)は、幼くてまだ何も理解できない。担任教師に論争を吹っかけ、年金の督促にも応じない一郎の態度に、二郎は頭が痛い。遂には、修学旅行の積立金に疑惑があると学校にまで押しかけてきた。そんな中、不良少年のカツから、母のさくらが人を刺して刑務所に入った過去があると聞かされた二郎は、逆上して暴力を振るってしまう。その件は大問題となるが、一郎は平気でうけながして、故郷である西表島へ家族揃っての移住を決行する。大自然の中の家屋を自分たちの手でリフォームして、自給自足の生活をスタートさせる上原一家だが、西表島でも事件が待っていた。引っ越した建物は、東京の建設会社の持ち物だったのだ。観光開発会社に対して、あくまで闘う姿勢を見せる一郎に、地元の巡査の新垣(松山ケンイチ)も目を白黒させる。共闘を求める東京の人権団体の申し入れも断って、あくまで単身で闘い続ける一郎。そんな父の姿に、二郎は初めて尊敬の念を抱いた。さくらが人を刺した過去も、学生運動の流れの中での出来事だったものだと理解する。観光開発会社のブルドーザーを破壊した一郎は、警察からも追われる身となった。一郎とさくらは、子供たちを残してボートに乗り込み日本から脱出する。そんな彼らの唯一の願いは、二郎と桃子の自立だった。

今日は映画何の日?

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