「残虐療法」のストーリー

カリフォルニアのとある町の出来事。億万長者タウンセンド家お抱えのバラづくりの園丁マーティン(ロディ・マクドウォール)が、ある日、突然主人である当家の未亡人アメリアを園芸用大バサミで殺し、警察に自首した。やがて公判が開かれ、有名な女精神医エドウィナ(ローレン・バコール)は、マーティンが奪った紙幣を焼きすててしまったことや、殺し方の異常さから、彼を精神異常者と判断し、マーティンは州立精神病院に送られることになった。ところが、タウンセンド財団の管理人マニングは、マーティンが精神異常者ではなく、未亡人から奪った大金の大半をまだどこかに隠していると考え、ドサまわりの貧しい舞台俳優デール(スチュアート・ホイットマン)を精神病者に化けさせて、マーティンのいる州立精神病院に送りこんだ。だが、エドウィナは、デールの挙動のはしはしから、次第に疑惑の眼を向けるようになっていった。そしてある日、デールは、エドウィナがマーティンに催眠術をかけ、質問していくうちに、マーティンが大金を所有していると口ばしったのを立ち聞きした。早速デールは、マニングにこのことを電話で報告した。しかし、デールが精神病者でないとの確信を深めたエドウィナは、デールをショック療法にかけ、彼がニセの患者であることを白状させた。だが、エドウィナにしても、正常な人間を精神病扱いにしたかどで失脚しなくてはならない。そこでエドウィナは、彼を痴呆患者にすべく、生体実験を行った。が、痴呆状態になる寸前というところで、デールは、病院で知り合った女シンシア(キャロル・リンレイ)の協力で病院を脱走した。だが、この仕事の報酬としてもらえるはずの1万ドルは、すでにマニングが死んでもらえず、仕方なくデールはタウンセンド邸にかけつけた。すでにそこでは、金に目のくらんだエドウィナが、病院を脱走したマーティンとともに、庭の一隅を掘り返していた。しかし、穴からでてきたのは、灰と化した紙幣だけであった。狂気のように暴れ狂うマーティンは、デールとの格闘中自ら命を絶ち、失意のエドウィナは精神異常をきたし、デールやシンシアと交替に精神病院に収容された。