「学校の階段」のストーリー

神庭里美(黒川芽以)はバスケ部で挫折を経験して以来、何事に対しても真剣に向き合うことに臆病で優柔不断な女の子だった。両親の海外転勤を機に、叔母の家に住むことになった里美は天栗浜高校へ転校してくる。転校初日、もう一度バスケット部で頑張ってみようと入部届けを提出するために体育館に向かっていた。しかし里美は途中の廊下で、校内を全速力で駆け巡り競い合う学校非公認『階段部』のメンバー・泉(甲斐麻美)とぶつかり彼女にケガをさせてしまう。泉を保健室に連れていった里美は、彼女の並外れた運動能力を見抜いた部員のゆうこ(通山愛里)から、泉の代理として強く入部を勧められる。「学校の恥」と揶揄される階段部と関わりを持ったことで周囲からの風当たりが強くなり、始めは入部を拒否していた里美だったが、部長の刈谷健吾(松尾敏伸)の“走り続けていれば先があるから”という言葉に強く心を動かされ、『階段部』に入部を決意する。入部した里美は、ラリーの参加を目標に、基礎体力向上のためのトレーニングを積み重ねていく。そんな日々の中で、彼女を迎え入れた仲間たち、刈谷、ゆうこ、泉、奈美(秋山奈々)、三枝(栩原楽人)、階段部顧問・紀子らとのふれあいを通じ、里美の中に次第に「信じることを怖れない」という思いが芽生え始めていた。そんなある日、里美は『階段部』廃部への執念を燃やしている生徒会長の中村ちづる(小阪由佳)と、部の存続を賭け、校内ラリーで対決することになってしまう。ちづるは、刈谷と『階段部』を創設したものの、刈谷がケガを負い走れなくなったことをきっかけに退部、恋人同士だった刈谷とちづるは別れ、以後ちづるは『階段部』を目の敵にするようになったのだった。しかも強敵ちづるとのレースを控えた前日、教諭の野田(並樹史朗)、三上から生徒会室に呼び出された里美は、理事長の娘であるちづるに恥をかかせぬように強い圧力をかけられる……。