「HAZARD」のストーリー

1991年、日本。「退屈なだけの日曜日、どこへ行こうか」シン(オダギリジョー)は平凡な学生生活を送っていた。恋人との冷めた関係、退屈なクラスメート、希薄なリアル。なにも無い日常から一刻も早く抜け出したかった。そんなある日、大学の図書館で彼は「地球の危険な歩き方」という1冊の本に出会う。そこでNYの犯罪都市「HAZARD」について書かれたページを目にする。眠たい日本を飛び出す覚悟を決めたシンは、その本を手に握りしめ、走り出す。NYへ渡ったシンは、自ら危険を求め、さまよい歩く。生きて行くことさえ難しくなったある日、万引きをしようとした店で、彼は仲間たちと出会う。リー(ジェイ・ウエスト)とタケダ(深水元基)はNYでも名の知れたギャングスターだった。彼らとの日々は、刺激的で危険に満ちていた。シンは見えないコインを取り出し、彼らと誓い合う。「俺達はこの1セントを1億ドルと交換するんだ」憧れていた狂気と隣り合わせの世界。だが、現実はそう簡単に彼を受け入れてはくれないのだった。HAZARDをさまよい、もがき、やがて走り出す。世界を手に入れることを夢見て。そしてシンが行き着いた先は……。