「ジョルジュ・バタイユ ママン」のストーリー

崇拝する美しいママン(イザベル・ユペール)に会うため、ピエール(ルイ・ガレル)はスペイン、カナリア諸島を訪れる。自堕落な父親に対する煩わしさから解放され、ママンと二人きり、平穏な暮らしへの訪れにピエールは胸を震わせていた。しかし、喜びは打ち砕かれ、不安と恐怖に支配される。青い海、煌めく太陽の下、ママンが徐々に本性を露にしはじめた。ピエールを抱きしめる中自慰させ、ピエールに女の子をあてがいセックスをさせるなど、彼に性を教え込む。性に対するタブーをなくさせたいという母の思惑通り、性に開放的な人間になっていくピエール。ママンは、感情を抑えず、自分の欲望のおもむくままに生きることこそ真の輝きだと言わんばかりだ。17歳の少年が知る、飢える欲望こそ生きる原動力である、不道徳で魅力的なママン。一歩踏み外してしまえば、すぐにでも近親相姦に陥りそうな危うい関係を続ける二人。しかしそんな退廃的な生活の果てに、母は老いにより欲望をかなえることができなくなる。そしてピエールが自慰をしているとき、母は息子を抱きしめながら、アイスピックを自らの首に刺す。ピエールは母の絶命後も、死体を見ながら自慰するのであった。