「さらばキューバ」のストーリー

1958年のキューバでは、腐敗バチスタ政権打倒をめざし、革命児カストロを中心に反乱軍が勢力を増しつつあった。反乱軍に苦戦するバチスタ政権が軍事顧問として迎えたゲリラ戦のプロ、ロバート・デイプス(ショーン・コネリー)は、この地に着くとすぐ、民衆の心がすでにバチスタから離れており、もう勝利の望みはないことを察知した。デイプブスを招いた政権の実力者、ベイヨ将軍(マーティン・バルサム)、その部下ラミレス大尉(ヘクター・エリゾンド)の出迎えを向けたデイプスは、偶然、そこでアレックス(ブルック・アダムス)を見かけた。彼女こそ、15年前、デイプスを初恋の男として愛した愛しい女性だったのだ。彼がこの激動の地に来てしまったのも、アレックスに会いたいと思う気持ちがあったからなのかもしれない。革命前夜の不隠な状況の街ハバナで働くスラム出身の若者フリオ(ダニー・デ・ラ・パッツ)は反乱軍のテロ要員として活動していたが、彼の姉は、ハバナ経済を牛耳るプリド・コンツェルンの女工として働いており、その放蕩息子ファン(クリス・サランドン)の愛人だった。そして、このファンの妻がアレックスだった。間もなくテニス・クラブでアレックスと再会したデイプスは、再び愛し合うようになるが、15年の歳月は2人の間に深い淵をつくっていた。間もなくベイヨ将軍主宰の盛大なパーティがゲリラの無差別テロで血に染まり、ラミレスが犠牲になった。同時に反乱軍が首都に向けて戦端を開き、プリド工場の従業員がゲリラの正体を現わし、激しい戦闘が開始された。デイプスもゲリラの人質となり、そこでアレックスと顔をあわせることになる。しかし、デイプスには、昔抱いた愛しい少女アレックスへの愛情を再び呼びもどすことはできなかった。やがて戦場と化した砂糖きび畑が炎に包まれ、バチスタ政権の完全な終りがくるのであった。

今日は映画何の日?

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