「サニー・サイド・アップ」のストーリー

合衆国独立記念祭の日のことである。ニューヨークの貧民街ヨークヴィルは悦びに満たされていた。女店員のモリー・カーは祭の支度に忙しかった。モリーは仲良しのビー・ニコルズと一緒に住んでいる。向かい側の部屋にはモリーを妹のように可愛がっている雑貨商のエリック・スウェンソンやビーのボーイ・フレンドでネクタイ行商人で作曲家志望のエディー・ラファティーなどが住んでいる。このヨークヴィルから余り離れていない海岸には富豪クロンウェル家の広壮な大邸宅があって、やはり独立祭祝賀の騒宴が開かれていた。若主人のジャックにはジェーン・ワースという許嫁があったが、彼女はすこぶる尖端的なモダン・ガールでカクテルに乱酔して狂態を演じ始めたので、ジャックは気を悪くして家をとび出し自動車で散歩に行った。彼は図らずもヨークヴィルにやって来て往来の小児を轢きそうになったので避ける途端に転覆して負傷した。目撃していたエリックは気の毒がって自分の部屋で休むように言うとジャックは部屋を間違えてモリーの部屋に入った。彼女は男が社交界の紳士であることを新聞写真で知っていて丁寧に介抱した。ジャックは許嫁のジェーンを制するためにモリー等をデトロイトから来たお客様として社交界に出し、モリーに恋した様子を示してジェーンに嫉妬を起こさせることを計画した。そのためにジャックは慈善演芸会を催し、モリーは花形として出場した。その頃にはモリーは人知れずジャックを想う身となっていた。ジャックの母親はモリーの素性を嗅ぎ出し、倅と親しくしてもらいたくないと宣告した。落胆した彼女が帰り支度をしていると何も知らないジャックは、計画が成功してジェーンが結婚を急いでいるとモリーに告げた。モリーは悄然として貧しき境涯へ帰った。しかし彼女を失ってジャックは初めてモリーの存在が自分に如何に必要であるかを知り、仮病を申し立ててジェーンとの婚約破棄を申し出るとジェーンは二つ返事で承知した。ジャックはモリーを訪れ愛の告白をしたが彼女は信じなかったので今度は彼が悄然として去った。ジャックの母はモリーが忘れていった日記を見てその真情を知りジャックにモリーと結婚したがいいと勧めた。日記を忘れた事に気づいたモリーがジャックの許を訪れた時ジャックは彼女の写真に対して愛の歌を歌っているのを見出した。