「海猫」のストーリー

フィアンセの修介から、亡母・薫のことで一方的に婚約を破棄された美輝。ショックで失語症になった彼女は、故郷・函館の病院で祖母のタミから母の死の経緯について聞かされる――。薫が函館から峠ひとつ隔てた漁村・南茅部の漁師・赤木邦一のもとに嫁いだのは、80年代半ばのことだった。ロシア人の血を引く彼女は、村人たちに”青い目のお嫁さん“と歓迎され、彼女もまた漁師の生活に溶け込もうと努力を惜しまなかった。だが、美輝を授かった頃から、夫婦の間に微妙な心のずれが生じ始める。いつまでも慣れない生活、性の不一致、夫の浮気……。こうして、薫は孤独感を深めていった。そんな彼女の支えとなってくれたのが、函館の工場で働く義理の弟で、彼女に秘かな想いを寄せる広次だった。兄とは対照的に、優しく繊細な心の持ち主である彼に、次第に傾倒していく薫。そして遂に、彼女は一度だけ、彼に抱かれた。しかし1年後、2番目の娘・美哉が邦一の子供でないことが邦一に知れると、彼女は外出すらも許されない生活を強いられてしまう。見かねた広次は、薫を家から助け出すべく兄と命懸けで対峙。ところが、疲れ果てた彼女は、海猫の舞う太平洋へと身を投じ、それを追って広次も命を落とすのだった。タミから、全てを聞かされた美輝。今、母の生き様を理解した彼女は、父・邦一とも再会を果たすと、母と広次が眠る墓に詣でた。

今日は映画何の日?

注目記事