「いかレスラー」のストーリー

IMGP王座決定戦、クラッシュ火山対田口浩二の試合に突如乱入した、巨大ないかの姿をした”いかレスラー“。チャンピオンに輝いた田口からベルトを奪い、必殺技”ノーザンライト・スープレックス“でスリーカウントをも取った彼の正体は、数年前、不治の病に倒れ、消息不明になっていた超日本プロレスの元レスラー・岩田貫一だった。謎の男・千山の下、パキスタンの山岳地帯・フンザで修行を積み、煩悩を捨て、いかに変身することで病気を克服した岩田。プロレス界への復帰を願う彼は、かくして田口とのリターン・マッチ戦の約束を取りつけるも、元恋人で、今は田口のフィアンセである美弥子との愛を再燃させたことで煩悩が生じ、人間の姿に戻ってしまう。再び厳しい修行を積み、いかの姿に戻ってリングに上がった岩田――しかし、その前に現れたのは、寝返った千山によってたこに姿を変えた田口だった。いか対たこの前代未聞のプロレス・バトル、いかレスラーはからくも勝利を収める。ところが、そんな彼に今度は”しゃこボクサー“が挑戦状を叩きつけてきた! 良き友人となった田口と練習を積み、いよいよ決戦の日、アリーナのリングに立ったいかレスラーは、死闘の末、遂に動物異種格闘技戦を制す。そして、そこで明かされるしゃこボクサーの正体。実は彼は、日本の高度成長期、一世を風靡した人気レスラー・千山で、しかも岩田と田口の実の父だったのだ……。その後、国民的な人気を取り戻した日本のプロレス界、岩田と美弥子も結婚し、ふたりの間にはいかの姿をした子が誕生するのであった。