「最後の太平洋戦争」のストーリー

フィリピンを脱出したマッカーサー将軍が、ニューギニアの北端の飛石作戦を進め、フィリピンに上陸、日本軍を降伏させるまでの記録である。マッカーサーにとって、開戦第1日に空軍力を半減される爆撃をくい、フィリピンを脱出したことは最大の屈辱であった。本間雅晴中将は、駐英武官に赴任して英米の実力を知り、独伊同盟の危険に反対し、日支事変でも和平工作を実行する賢人だった。山下奉文大将も開戦前、独伊に軍事視察に訪れたが、結論として隠忍自重して軍備の近代化の先決を力説した。やがて山本五十六が連合艦隊司令長官に転出させられて、遂に東条英機の登場。そして、これらの将軍のもと、帰するが如く軍人は死んでいったのである。そして、日本の降伏、米軍の進駐とともに戦争犯罪者の裁判が開かれ、13階段を上り、銃殺されていった。世界最強の大和、武蔵、信濃をふくむ連合艦隊も潰滅し、生き残った若干の軍船40数隻の駆逐艦、潜水艦はその大部分が自沈させられた。ただ1隻のこった戦艦長門は、空母葛城、軽巡酒匂などとともに、ビキニ環礁の原爆実験のえじきとされたのであった。