「サーカスの世界」のストーリー

19世紀のサーカス黄金時代。マット(ジョン・ウェイン)はアメリカ最大のサーカス団を持っている。14年前、仲間のアルフレッドが墜死したが、それは空中曲芸をやる妻のリリー(リタ・ヘイワース)がある男との仲を悩んで心が動揺したためだったという噂があった。リリーは娘のトニ(クラウディア・カルディナーレ)をマットに託し姿を消した。今はトニも成長し、一座のスティーヴ(ジョン・スミス)と恋を語るほどだった。マットはヨーロッパ巡業に旅立った。リリーを探すのも目的の1つだった。ところが、船旅を終えたある港で大事故が起こり、船は転覆、マット一座はほとんどを失った。マットはヨーロッパでの再起を決意、3流サーサスでウェスタン・ショウをやることにした。パリの興行では大成功を収め、マットは芸人のスカウトをはじめた。ベルリンのあるサーカスでアルフレッドの弟アルドと会い、仲間にもどした。彼の助言で、マットはついにリリーを見つけ、トニへの告白をするようすすめた。だがリリーは名前をかえ、1人の芸人としてサーカスにかえって来た。トニはもちろん気づかない。サーカスは大きくなった。あるドレスリハーサルの朝、何者かの細工で、トニは自分の母のことを知らされ、怒って出て行った。そのとき、どうしたわけか天幕が燃えだした。延焼を防ぐため、天幕を切り離さなければならない。リリーは炎にのまれながら類焼を防ぎ、いつのまにか帰って来たトニも一生懸命に消火につとめた。大部分が焼け、リリーの火傷の手当てに精をだすトニに、憎しみは見られなかった。大天幕とともに燃えてしまったのだった。その夜のうちにサーカスは幕をあけ、リリーとトニの演技は華やかに展開していった。