「ヴェロニカ・ゲリン」のストーリー

1996年6月26日、アイルランド、ダブリン。麻薬犯罪の実態を追い続けていたある女性記者が凶弾に倒れた。だが、彼女の死は人々を目覚めさせ、社会に変革をもたらすこととなった――。1994年。サンデー・インディペンデント紙の記者ヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)は、麻薬犯罪の実態を取材していた。ダブリンの裏組織に詳しいトレイナーや、友人でダブリン警察の刑事から情報を聞き出し、関係があると思われる人々をヴェロニカはつぶさに調べ、訪ね歩いた。危険人物にもひるまず取材し、ありのままを記事にする彼女の半ば強引な取材方法に、同僚や他紙の記者たちは眉をひそめ、ジャーナリストの集まるパブでジョークのネタにしていた。ヴェロニカの執拗な取材は、麻薬売買組織の首謀者ジョン・ギリガンへと迫る。トレイナーのボスでもあるギリガンは注目を浴びることを好まず、トレイナーにヴェロニカとの接触を控えるように警告する。そして、ヴェロニカに対しても警告が発せられた。自宅の窓ガラスに残された銃弾の跡。この警告はヴェロニカに恐怖を与えると同時に、彼女の追求が核心に迫っていることを意味していた。だが、銃弾はヴェロニカの信念を変えることはできなかった。メディアとアイルランドの世論を味方につけ、彼女は再び取材を開始するが……。