「ギャンブル・プレイ」のストーリー

世界的なリゾート地リビエラ。ギャンブラー、ボブ・モンタナ(ニック・ノルティ)は、ツキに見放されながらもしぶとくこの街で生きている。夜な夜な場末のカジノで飲んだくれながら、今宵こそはといきがっていた。しかし必ず負けが込み、ぼろぼろの態でカジノを後にする羽目に…。そんなボブがいつ犯罪に再び手を染めるか、それを監視する男がいた。地元警察の刑事ロジェ(チェッキー・カリョ)はボブを監視してはいるが、憎く思うどころか、むしろ彼の男気に心惹かれていた。ある夜、ボブは行きつけのカジノで妖しい魅力の若い女に一目惚れする。女の名はアン(ナッサ・クヒアニチェ)。店を仕切る男の情婦のように働かされていたアンをボブは男から解放してやり、アンはボブのアパートに寝床を求める。しかし、ボブは決してベッドを共にしないことを条件に、アンを受け入れる。ボブの部屋にはピカソが描いたという絵が飾られている。「ピカソは闘牛士に賭けたんだ。俺は闘牛に運を託した。結局、闘牛士は26針も縫う大怪我を負い、俺はピカソが書いた絵を手に入れたんだ」と誰にともなく言いふらす。しかし、ボブは手にした絵が贋作(フェイク)であることは百も承知だった。俺の人生は“ピカソ・フェイク”のようなものだと自分で自分にうそぶき、強がってみせるボブ。ある日、ボブは古くからの仲間ラウル(ジェラール・ダーモン)からカジノ襲撃計画を持ち込まれる。モンテカルロにあるカジノを、グランプリ・レースが開催される前夜、襲撃して大金を戴こうという計画だ。しかし、これにはウラがあった。本当の目的は、カジノの壁に飾られた有名絵画を奪うことだった。カジノのコレクションに本物のピカソがあると聞き、ボブは計画実行を決断する。今度こそ大きなツキを掴むため、ボブはアンを連れ、最高にドレスアップしてモンテカルロのカジノへ向かうが……。