「明日なき十代」のストーリー

1960年のある夏の日の午後、ニューヨークの無法地帯イーストハレムに事件が起こった。貧民街の舗道を3人のチンピラが肩で風を切って歩いていた。アーサー・リアドン(ジョン・デイヴィス・チャンドラー)、アンソニー・アポスト(ネイル・ネフィユー)、ダニー・ディパチェ(スタンリー・クリッシェン)。彼らはイタリア系移民で、愚連隊“雷鳥組”を作っていて、プエルトリコ系の“騎士組”と争いが絶えなかった。アパートの前で1人の少年を見つけた彼らは、少年を襲い逃走した。少年はプエルトリコ系のエスカランテで、警察は3人を逮捕したが、彼らは正当防衛を主張した。が、被害者が盲目とわかり、彼らの主張は蹴られた。事件を担当したのはハンク・ベル検事補(バート・ランカスター)だった。彼の妻カレン(ダイナ・メリル)は社交界の人気者で、ベルの上役ダン・コール(エドワード・アンドリュース)は目下知事選挙に立候補中だった。コールは選挙戦を有利にするため、世論の攻撃の中心である10代犯罪の根絶に懸命だった。ベルの責任は重大だった。彼は被告たちと同じイタリア系貧民の出身という悩みがあった。被告たちの環境には同情すべきものが多かった。調査が進むにつれ、最年少のダニーが、ベルの初恋の人マリー(シェリー・ウィンタース)の息子とわかる。現場の目撃者アンジェラは、被害者の持っていた物がナイフでなくハーモニカだと言う。3人は、3人同時に刺したと言う。ベルはそれを信じなかった。ダニーは組でも穏健派で、かつてプエルトリコ系の少年を救ったこともあった。マリーは、コールが選挙のために息子を死刑にしようとしているとベルに訴える。被害者のエスカランテは、実は盲目を利用する“騎士組”の重要人物だった。“雷鳥組”は、自分たちと同じ出身のベルが3人を死刑にしようとするのを怒り、カレンを脅迫する。ベルも何者かに襲われ負傷した。そして調査は終った。3人のうちリアドンは懲役20年、アポストは精神病院に、ダニーには懲役1年の判決が下った。上役の利益に反したベルの政治的生命は終った。が、ベルは真実を守った誇りを感じるのだった。