「夢追いかけて Touch a Dream 浜名湖発 学び座」のストーリー

静岡県、浜名郡舞阪町。この町で、家族そして周囲の人々の愛と豊かな自然に囲まれ、育ってきた河合純一。生まれつき視力の弱く、既に右目の視力しか残されていなかった彼が目の手術を受けたのは、3歳の時。成功したかにみえた手術だったが、初めて見る美しい夕暮れに喜ぶ純一の傍らで、医師(江藤潤)は母好子(田中好子)に、いずれは全ての視力が失われてしまうと宣告する。純一(勝地涼)は、幼い時から泳ぐことが大好き、視力の弱さにめげることなく、水泳の練習にいそしんできた。しかしある日、電気もつけず、真っ暗な風呂に入っていることに母が気付いたのは、中学3年生の時。まっすぐに泳げない、ターンのタイミングがわからない。悔しさに、水泳部の主将でありながら大会への出場の辞退を口にする純一。しかし、熱血教師森田(三浦友和)と家族、クラスや部の仲間の厳しく暖かい励ましの中で、次第に自分の泳ぎを身につけていった。そして高校進学。家族のもと、そして故郷を離れ、彼は東京の盲学校、そして大学に行く決意をする。純一が見つけた将来の目標。それは「先生になること」。困難に立ち向かっている人々やこれから巣立っていく若い力の手助けになること、そして「泳ぎ続けること」で自分自身が得た勇気を人々に伝えること。そして念願の教師となって、純一(河合純一)は故郷の舞阪に帰ってくる。健常者である生徒に、全盲の自分が教師として伝えられること、伝えたいこと。一人前の教師を目指す彼の真摯な姿は、周囲の人々の心をとらえていった。そんなある日、三度目の挑戦となるパラリンピックに出場決定の報が届く……