「ノー・マンズ・ランド(2001)」のストーリー

1993年6月、霧の中で道に迷ったボスニア軍兵士のチキ(ブランコ・ジュリッチ)は、ボスニアとセルビアの中間地帯ノー・マンズ・ランドの塹壕にたどり着いた。敵の生存者を確かめるため、セルビア軍兵士のニノ(レネ・ビトラヤツ)と老兵士(ムスタファ・ナダレヴィッチ)がそこにやってくるが、チキは老兵士を殺し、ニノにも怪我を負わせた。そしてやっかいなことに、老兵士が死体だと思って下にジャンプ型地雷を仕掛けてしまったツェラ(フィリプ・ショヴァゴヴィッチ)が生きていた。彼が動くと、地雷が爆発してしまう。止むを得ず、この状況から抜け出すために協力しあうチキとニノ。やがて心を通わせる二人だったが、助けにきたマルシャン軍曹(ジョルジュ・シアティディス)たちと一緒に塹壕を離れようとしたニノの足をチキが銃で撃ち、再び一触即発の状態に戻る。やがてマルシャン軍曹とテレビ記者のジェーン(カトリン・カートリッジ)が協力し、マスコミの力を使って中々動こうとしなかった国連防備軍を動かすことに成功。しかしツェラの下の地雷を撤去することはできなかった。しかもマスコミが騒ぐ中、チキはニノに向かって発砲。同時に防備軍がチキを射殺。そして防備軍は、地雷を撤去したという虚偽の発表をし、マスコミと共に塹壕から立ち去る。塹壕にはツェラ一人が残されるのだった。