「地上より永遠に」のストーリー

第二次大戦直前の1941年夏、ホノルルのスコーフィールド兵営にロバート・E・プルウィット(モンゴメリー・クリフト)という青年が転属してきた。彼は上官に反目したため一兵卒に落され、転属の憂き目となったのだ。この新しい部隊の中隊長ダナ・ホルムズ大尉(フィリップ・オーバー)は、拳闘競技に夢中で、プルウ(プルウィットの仇名)が以前、隊でミドル級のチャンピオンであったことを知って、下士官に昇進を条件に彼にチーム入りをすすめた。だが、プルウはかつて拳闘で戦友を失明させて以来、2度と拳闘はやらないと誓いをたてていたので、にべもなく断った。実質上中隊の支配者であるウォーデン軍曹(バート・ランカスター)は、プルウに反抗はやめろと警告したが、強情なプルウは聞き入れなかった。そのためホルムズ大尉のプルウに対する圧迫は次第に強くなり、彼はしばしば虐待行為を受けた。一等兵のアンジェロ・マギオ(フランク・シナトラ)はひょうきんなイタリア系アメリカ人で、ただ1人プルウの味方になった。ホルムズ大尉の妻カレン(デボラ・カー)は、G・Iの間に噂の的となっている女性で、冷酷で不貞な夫を憎んでいた。ウォーデンはカレンと密通して、2人は不倫な愛欲のとりことなった。週末の外出に、マギオはプルウを慰安所に連れていった。プルウはその店でアルマ(ドナ・リード)という女と知り合い、恋に落ちた。やがて彼はアルマに結婚を申し込んだが、今の稼業から足を洗い米本国で更生を夢見るアルマは、彼の申し込みに応じなかった。プルウに対する虐待行為は依然つづけられたが、彼は決して屈せず、ウォーデンも驚くほどであった。真珠湾攻撃直前のある日、マギオが無断外出して酒に酔い、MPに逮捕されて営倉入りとなった。ここでマギオは営倉係のファツォーにひどい虐待を受け、脱走してプルウの許に逃げのびたが、極度の内出血のため絶命した。プルウは心に固く戦友の復仇を誓い、ある夜、町かどでファツォーと決闘した。プルウはついにファツォーをたおしたが、自らも重傷を負ってアルマの家に身を隠した。その頃、カレンは本土に引き揚げようという夫の強圧的な命令に悩んでいた。ウォーデンとの仲もうまく行かないようになっていたのだ。12月7日の朝、日本軍は真珠湾を攻撃した。アルマの家でこの事を知ったプルウは帰隊すると云い張り、アルマの必死の引き留めを振り切って外へ出た。よろめく足をふみしめて兵営に向かった途中で警備兵に発見され、あわやと云う間に射殺されてしまった。数日後、本土へ向かう船の上でカレンは若い女と知り合った。彼女はアルマと云い、戦闘機のパイロットだった許婚者が、真珠湾攻撃の日戦死したと語った。