「UNCHAIN アンチェイン」のストーリー

アンチェイン梶というボクサーがいた。リングネームの“アンチェイン”は、レイ・チャールズの名曲『アンチェイン・マイ・ハート』からとった。彼の戦績は6敗1分け。一度も勝つことなく引退した彼は、第二の人生に勝負を賭け、釜ヶ崎で“とんち商会”という会社を設立。労働者に仕事を紹介する手配師を主に、探偵から迷子のペット探しまで、殺し以外はなんでもやった。だが仕事はうまくいかず、やがて酒とボクシングの後遺症で奇行が目立つようになり、1995年5月5日、事務所にかかってきた脅迫まがいの電話に激昂した彼は、頭から黄色いペンキをかぶり、タクシーを箱乗りして釜ヶ崎の労働者センターに殴り込んで行くのだった。この事件を機に、梶は精神病院に入院した。ところで、彼には弟のように可愛がっていた3人のボクサーがいた。キックボクサーのガルーダ・テツ、朝鮮人2世で西日本フェザー級新人王を獲得、更に梶の恋人だった幸子も獲得した永石磨、シュートボクサーの西林誠一郎だ。それぞれ分野の違う3人だが、梶を中心に友情を超えた強い絆で結ばれていた。99年12月、梶が退院した。その間、永石は引退、西林も活動を休止していたが、テツだけはリングに上がり続けていた。客席からテツの試合を見守る梶は、自らの過去を振り返って思う。魂の解放の場であるリングの上にはしがらみがなかった、正にアンチェインだったと。

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