「アイズ ワイド シャット」のストーリー

クリスマス前後のニューヨーク。ウィリアム=通称ビル(トム・クルーズ)とアリス(ニコール・キッドマン)は結婚して9年目。7歳になる娘ヘレナをもうけ、瀟洒なアパートメントに暮らしている。その晩、ウィリアムの知人であるヴィクター(シドニー・ポラック)のパーティに出かけ、ウィリアムはふたりのモデルから誘惑されるが、ヴィクターから呼び出され、マンディというへロイン中毒になった娼婦の治療を頼まれる。その間、アリスはハンガリー人を名乗る中年紳士の誘惑を受けながらダンスを続けていた。帰宅後、寝室でマリファナでラリったアリスはウィリアムに思いがけない告白をする。以前、家族で出かけたヴァカンス先のホテルで、視線が合った魅惑的な海軍士官に浮気心を抱いだというのだ。妻を信用していたウィリアムはこの言葉に衝撃を受ける。老人の患者が急死して呼び出されたウィリアムは、妻が他の男に抱かれている妄想が頭から離れないまま、深夜の街をさまよう。娼婦ドミノ(ヴィネッサ・ショー)の誘いで彼女のアパートまでついていったが、アリスの電話でことは果たさぬまま立ち去る。次に彼はヴィクターのパーティで再会した大学の同級生でいまはピアニストをしているナイチンゲール(トッド・フィールド)を訪ね、彼から秘密の乱交パーティがあると知らされる。黒装束に仮面をつけ、仮装して郊外の館に乗り込んだウィリアム。なぜかひとりの女がすぐに立ち去るようにと忠告する。いぶかしく思う間に、彼は屈強な男に連行されるままに、居並ぶ人々の前でひとりだけ仮面を外し、裸になれと強制される。その場は例の女のとりなしでおさまったが、翌日、彼がナイチンゲールを訪ねると、彼は何者かに強制的にホテルを追い立てられていた。さらに彼には不審な尾行者がつきまとう。新聞には元ミスコンの女王がドラッグの過剰摂取で急死したという事件が出ており、彼が死体を確認してみると、それは昨晩の館の女だった。館に赴くと、「これ以上詮索するな」と脅迫の手紙が渡される。直後、今度はヴィクターに呼び出されたウィリアムは、思いがけず彼から事件の真相を聞かされた。館の女はパーティで彼が診たマンディだった。彼女はあの館に出入りする娼婦で、ヴィクターもその秘密の会員のひとりだったのだ。帰宅した彼は、眠るアリスの傍らに彼が館で使った仮面があるのを見つけ、ついに彼女に全てを告白した。娘のヘレナのプレゼントの買い物に出たふたり。アリスは夫婦の絆をもう一度確かめあおうと語るのだった。