「ラブ・レター(1998)」のストーリー

佐竹興業が経営する裏ビデオ屋の店長を任されているチンピラの吾郎は、ある日、佐竹から偽装結婚の話を持ちかけられる。さして断る理由もない彼は、80万の謝礼と「人助けになる」というプロモーター・穴吹の言葉に、戸籍を貸すことにした。偽装結婚の相手は、中国人女性の白蘭(ぱいらん)。彼女は日本の国籍を得て働いたお金で、中国に暮らす家族を養おうとしていた。そんな白蘭に吾郎が会ったのは、入管審査の時だけ。ところがそれから暫く後、あらぬ容疑をかけられて留置所で臭い飯を食わされていた吾郎に、忘れかけていた白蘭の死亡の知らせが届く。一度しか会っていない女房の遺体を、どうして自分が引き取りに行かなければならないのか。憤慨しながらも、舎弟のサトシと白蘭の遺体が収容されている千葉の千倉へと赴く吾郎。千倉へ着いた彼は白蘭の遺体を荼毘に付すと、白蘭が働いていたスナックへ寄り道をする。そこで吾郎は、白蘭の遺品の中から彼に宛てられた一通の手紙を見つけるのだった。そこにはたどたどしい日本語で、自らの不幸な人生を嘆くことなく、吾郎に対する礼と吾郎の墓に入れて欲しいという願いだけが綴られていた。それを読んだ吾郎は、遠い異国の地でひとり淋しく死んでいった白蘭の気持ちを痛感する。そして、彼女の入った骨壷を携えると、彼女を自分の家の墓へ埋葬する為、故郷である北海道へと向かうのだった。

今日は映画何の日?

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