「しあわせになろうね」のストーリー

解散式を翌日に控えた山室組の事務所。組長の山室を初め、最後まで残った5人の組員は新しい人生に向けてそれぞれに準備を整えていた。結婚して寿司職人になる恭平、やくざを続けていくという大滝と宮島と道岡、田舎に帰って母親孝行をするつもりの木内、そして組長は愛妻のりえと悠々自適な生活を夢見ている。みんな、それぞれに幸せになるつもりだった。ところが、偶然つけたテレビから敵対する笹島組組長が何者かに殺害されたというニュースが流れたことから事態は一変する。解散には笹島組との和解が条件なのだ。笹島組長が死んだとなれば、解散は無効になってしまう。しかも、若い組員のヒロシから「男になる」という謎めいた電話がかかってくる始末。もし、ヒロシが笹島組長を殺ったのなら解散はおろか、抗争になってしまうだろう。せっかくヤクザを辞めて堅気になるつもりでいた組長は、笹島組との仲裁人である武山総長に相談を持ちかける。すると武山総長は、山室組長の首か一億の現金を明日の朝までに用意しろと言ってきたのである。解散を目前に控えまさか首なんか出せない、かと言って不景気の折から一億もの大金なんてそう簡単に出せる筈もない。そうこう山室が悩むうちに、刑期を終えて出所してきた横山が事務所に戻ってきた。血の気の多い彼は、幹部の大滝と共に笹島組と闘うことを提案する。やはり抗争を覚悟しなければないないのか。しかし、今の事務所には武器などひとつもありゃしない。マルボーの刑事・平塚やら暴力団追放運動が次々に押しかけてきて組の方針が決まらないまま、夜を迎える山室組。タイムリミットは迫る一方だ。そこへ、武山組長から条件の変更を伝える電話が入る。新しい条件は、幹部一人の首と三千万の現金だった。ホッと胸を撫で下ろす山室。そして、木内が覚悟を決めた…。だがその時、笹島組が総攻撃をしかけてきたのである。次々に撃ち込まれてくる銃弾。しかし、笹島組の組員は全員、その機会を狙っていたとしか思えない警察に逮捕されてしまうのであった。どうやら、今回の騒動は武山総長と平塚が仕組んだ笹島組撲滅計画だったらしい。翌日、無事解散式を迎えられた山室組のメンバーは、それぞれの幸せを求めて第二の人生を歩み始める。