「マーキュリー・ライジング」のストーリー

FBIのヴェテラン囮捜査官アート・ジェフリーズ(ブルース・ウィリス)は潜入捜査の際、強硬な突入で一味の少年を殺した上司といさかいを起こし左遷された。そんなある日。自閉症ながらパズルには天才的な才能を見せる9歳の少年サイモン(マイコ・ヒューズ)は、マニアックなパズル雑誌に掲載された暗号を偶然解読してある場所に電話。彼は理解していなかったが、それは米国の全世界のスパイ網を保護する国家安全保安局の機密情報システムマーキュリーを解読する極秘コードだったのだ。責任者のクドロー中佐(アレック・ボールドウィン)は機密保持のため配下にサイモンの抹殺を命令、無理心中に見せかけて彼の両親を殺す。事件の捜査の応援に派遣されたアートは、押し入れの奥に隠れていたサイモンを見つけた。アートはサイモンの父親(ジョン・キャロル・リンチ)の死体の手に残された銃に不審を抱き、事件が仕組まれたものと疑い、サイモンに護衛をつけさせるが、はたしてふたりを殺し屋が襲う。通常のコミュニケーションがとれないサイモンに手を焼きながらも危地を脱したアートは、同僚のビッツィ(チ・マクブライド)の助けを得て敵の正体を探り出そうとする。アートに接触を図った暗号プログラマーのレオ(ボッジ・パイン・エルフマン)とディーン(ロバート・スタントン)はあえなく殺された。だが、ディーンが生前に残した真実を記した告発状をアートは入手、クドローにサイモンの身の安全を保証するため、真実の公表を迫る。クドローは罠をかけてサイモンとアートの抹殺を図るが、事件の真相を知ったFBIが急行してふたりの命を救い、クドローは銃弾に倒れるのだった。