「すべてをあなたに(1996)」のストーリー

1964年、ペンシルヴァニア州エリー。ドラムのガイ(トム・エヴェレット・スコット)、作曲兼リーダー格のジミー(ジョナサン・シャーチ)、リード・ギターのレニー(スティーヴ・ザーン)、ベース・プレイヤー(イーサン・エンブリー)から成るワンダーズは、地元のバンド・コンテストで『ザット・シング・ユー』を演奏し、大ウケして優勝。早速、街のライブハウスに出演すると、連日超満員。自主製作のレコードも跳ぶように売れ、彼らに目をつけたライブハウスの常連客ホレス(クリス・エリス)がラジオやテレビに売り込んだ。初の大ステージはブーイングで失敗するが、プレイ=トーン・レコードの大物ミスター・ホワイト(トム・ハンクス)がメジャー契約を申し出た。ジミーの恋人フェイ(リヴ・タイラー)も衣裳係として雇われる。『ザット・シング・ユー』はヒットチャートを急上昇し、ツアーも大成功するが、彼らの身辺も変わった。ガイのガールフレンドのティナは、忙しい彼から去り、ジミーはフェイがいながらシンガーのダイアンに接近。ベース・プレイヤーにもレニーにも、ガールフレンドができた。彼らの人気は鰻登りで映画にも出演するが、2曲目のレコードはなかなか出してもらえない。ジミーは会社に不信感を持つが、フェイは彼の才能を信じて励ます。全国ネットの人気番組『ハリウッド・ショウケース』に出演が決まったが、ベース・プレイヤーが現れず、ホワイトが代役を探してきて本番に臨む。10代の女の子たちが熱狂的な歓声を上げ、ホットな演奏風景が中継されるが、「ジミーには婚約者がいます」とのテロップが流れる。これを入れさせたのはフェイだと思い込んだジミーは、彼女と大ゲンカして2人の間の亀裂は決定的に。テレビの成功で新曲の録音が決定するが、バンドはバラバラ。ジミーとガイの友情は壊れ、レニーは恋人とベガスで結婚式を挙げ、ベース・プレイヤーは行方不明。ジミーの曲は採用されず、バンドは解散の憂き目に遭う。スタジオに残ったガイが一人でドラムを叩いていると、憧れのピアニスト、デル・パクストン(ビル・コッブス)が現れて一緒に演奏し、音響マンが録音してくれた。夢のように出来事が彼に希望を取り戻させた。いつしかフェイを愛していたことに気づいた彼は、故郷に帰ろうとする彼女を抱きしめてキスをした。その後、メンバーはそれぞれの道を歩んだ。