「コーマ」のストーリー

スーザン(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)は若く美しい女医で、恋人のマーク(マイケル・ダグラス)と共にボストン記念病院で働いていた。この大病院では数限りない手術が行なわれており、スーザンの親友ナンシー(ロイス・チャイルズ)もごく平凡な手術を受けた1人だった。だが、ナンシーは手術を受けた後、覚醒せず、昏睡状態におちいった。それと時を同じくして、右膝関節の手術を受けた若い男性も、やはり昏睡におちて2度とめざめようとはしなかった。軽い手術を受けただけの人間が植物人間になってしまうことに疑問を感じたスーザンは、ナンシーのカルテを調べようと担当の医師ジョージ(リップ・トーン)にたのむが、激しく拒否された。図書室でデータを調べた結果、この記念病院でおこった麻酔後の昏睡例が全国の発生率に比べて100倍だということを知ったスーザンは、そのことをマークに打ち明けた。しかし、マークは余計な心配はしない方がいいと一笑するだけだった。スーザンは、早速外科部長ハリス博士(リチャード・ウィドマーク)の呼び出しを受けコンピューターの無断使用についてとがめられる。ますます病院側に疑惑を深めたスーザンは、すべての事故が8号室で起きていることに気がつく。ある夜、病院の使用人に呼びだされてボイラー室に行くと、彼は何者かによって殺されていた。あたりを調べた結果、妙な管がのびており、それが8号室までつづいていることがわかった。病院の内情を知り出したスーザンは殺し屋に狙われる身となり、やっとのことでマークのアパートに逃げ込み、8号室のことなどすべてをぶちまける。スーザンは単身でジェファーソン研究所を訪れ、エマーソン夫人(エリザベス・アシュレー)の案内で昏睡患者の病室を見学する。見学が終わった時、スーザンは研究所に忍び込み、いまわしい犯罪の事実をつかむ。彼らは、ボストン記念病院の患者を故意に昏睡状態におとしいれ、ジェファーソン研究所で、患者の肉体から健康な臓器を摘出し、移植用に世界各地に売りさばいていたのだ。ボスはボストン記念病院のジョージだとにらんだスーザンは、そのことを外科部長のハリス博士にぶちまける。しかし、実はハリスこそ、すべての黒幕だったのだ。スーザンは他の患者たちと同じように8号室に運ばれ、昏睡状態にされようとした。ハリス外科部長によって手術は成功したかと思われたが、前からスーザンの言葉によって疑問を抱きはじめていたマークの機転によって、8号室に装置された一酸化炭素を混入させる機械はこわされ、手術室の前には、ハリスらを逮捕しようとする警官たちが待ちかまえていた。